府市あわせ

大阪の都構想が前に進まず、市長選挙で前に進めようとしています。
大阪府と大阪市の不仲による行政の停滞と近い状況は、広島でも前知事前市長の時代にもありました。
その問題の解決に、府と市の合併が最善の方法かどうかは検証すべき状況にあると思いますが、報道も学者も行政からも特にリアクションなく今に至ってる感じです。

県庁所在地が政令指定都市となっているところは、大なり小なり似たような状況にはあります。
政令市は独立性を高め、やりたいような行政をどんどんできるのですが、上級官庁である府や県は、それ以外の田舎のお守をする羽目になります。
親子の関係であったはずなのに、叔父と甥のような関係になるのです。ぎこちない関係になるのは当然とも言えます。

道州制を睨んでか、一時期市町村合併が推進された時期がありました。おかげで、基礎自治体の行政能力が一定レベルに底上げされたと思いますが、それ以上の効果はまだ見えていないように思います。
廃藩置県で定められた都道府県も、選挙制度(人口格差)が憲法違反と裁判所にケチつけられるような状況にあります。
廃藩置県の時は、天領を府とし、70万石を基準に県を区割りしたのですが、その後の人口の変動で、明らかな増減が起こっています。
しかし県を合併させることや、道州制を導入したとしても、今の課題は解消は難しいと思います。

日本社会共通の課題ですが、横のつながりを作ることや、横の連携をスムーズに行うことが非常に不得手です。
以前、景気対策で地方に公共事業をばらまいた時も、隣接する町村が、似たような文化ホールや美術館を乱立し、数年後に合併して維持に四苦八苦する例も多発していました。
これを解消するために、合併するのも一つの方法かもしれませんが、全部合併せざるを得なくなってしまう。
根本的には、地方の行政組織の独立性を過剰に規定している地方自治法を改正することが必要なのではないでしょうか。
戦後、民主主義体制の成立の勢いで作られた地方自治法の精神は実際には無視をされ、中央省庁が地方自治をコントロールしています。
しかし制度上は独立しているために、連携がぎこちなく、社会構造の変化に対応することなく、お互いが不信感を持って疑心暗鬼な行政に取り組んでいるように見えます。
先日、あるアメリカの市長がニュースに登場していましたが、その市は市会議員が3人で市長職は3人が交代で勤めているとのこと。
それがベターとは思えませんが、連携と機動性に飛んだ地方行政組織になってくれることが、住民の最大のニーズだと思うのです。

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