スコットランドとイングランド

スコットランドが英国から独立するとかしないとかもめています。
スコットランド王家とイングランド王家のややこしい話は、世界史で苦労した人も多いと思います。
いくつか映画も見ましたが、ややこしいのであまり深く関心持つこと無く今に至っています。
王家の話は別として、スコットランドの人とイングランドの人との間の微妙な関係は、子供の頃、児童文学で知ることが出来ました。
「宝島」を書いたスティーブンソンの作品「さらわれたデービット」です。

ある両親をなくしたイングランドの少年が、遺産をめぐって叔父に騙されて誘拐されます。
そこで遭遇したスチュアート王朝の復興を目指すスコットランド人騎士?と一緒にスコットランド高地を逃避行するという話です。
スコットランド人社会に迷い込んだ少年を道案内人に、謎に満ちた社会を旅する訳ですので、非常に興味深く読みました。

スチュアート王朝が、スコットランドにとって忘れがたき栄光のようです。
カソリックとプロテスタントの対立や、スチュアート王朝を支援したフランスとの確執、気質の違いなど、外部の目を通して見開かれる世界は、子供ながら興奮した記憶があります。

この表現方法は実は宝島も同じで、ホーキンズ少年を通して謎に満ちた船乗り(海賊)社会を旅をするという話でした。
出版当時から、少年たちは海賊の言動や風習に相当興奮したようで、海賊ごっこをして遊ぶのは、今にも至る定番と言ってもいいでしょう。日本でも、海賊物のアニメは今でも猛烈に人気がありますが、それもスティーブンソンのお手柄といえるでしょう。
身体能力が高いが粗野で直情的なスコットランド人と、ずるがしこくて高度に社会的なイングランド人。
この組み合わせも相当おもしろいのですが、日本ではスコットランドとイングランドの違いにはほとんど関心持たれなかったせいか、宝島に比べると、この「デービット」はメジャーな小説とはなっていません。
スコットランドとイングランドの気質や文化の差を体験するために最適な本だと思いますので、興味がある人にはぜひお勧めです。

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