1月3日まで三次市で開催されていた「ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし」展に行ってきました。
19世紀末から作家活動を始め、丁度第二次大戦が終わった時期に亡くなります。
母国フィンランドは、スウェーデンからの独立や、ロシア、ソ連、ナチスドイツ、英国などの干渉や戦闘など様々な荒波の中で国そのものが浮き沈みする状況で、その中で創作活動を続けていくというのは今の時代では想像のつかないような苦労もあったと思います。
しかし、自分と同じ町に住む人の姿や表情を描き続けていきます。
表現も時代によって変化するのですが、最晩年の自画像は色もほとんどなく表情も失ったなんとも言えない絵となっていきます。
絵を描くことそのものが楽しかった時代、パリに留学し先端に触れた時代、辺境の国で身近な人を描いた時代、孤独の中で自画像を描いた時代。
作品を通して一人の濃密な人生を感じることが出来た素晴らしい展覧会だったと思います。