富山の薬売りが薩摩に昆布を売りに行く

たまたま古い本を読んでたら面白い話があった。
表題の通りなんですが、、、
江戸時代末期に、本来は日本海航路を通るはずの商船(北海道の昆布を満載)が難破し、アメリカ捕鯨船→ロシア経由で帰国したという事。
その船は富山の薬売りの船だったそうです。
色々調べていくうちに、財政が崩壊し、当時日本で最貧だった薩摩藩が、中国と密貿易に手を染めていたとのこと。
中国からは麝香などの高価な薬。日本からは北海道産の昆布。
薩摩藩が北海道まで昆布を大量に買い入れに行くと目立つので、薬が欲しい富山の薬売りがこっそり昆布を仕入れて薩摩に運んでいたと言うことのようです。
もちろん直接密貿易をするのではなく、琉球を中継にしていたそうです。琉球もそれで大儲けしたそうです。
最も貧しかった薩摩藩は、それで最も裕福な藩になったようで、それで軍拡し、さらなる富を求めて琉球を侵略したのではないかというのは僕の勝手な想像。

別の本では、伊予松山の向かいにある島を調べていたら、清の国の銅銭が大量に出てきたそうです。本来は鎖国しているはずの清の通貨が、日本国内を出回るはずがないのに・・・
そうした細かなエピソードを見ると、貿易や流通のダイナミズムというものが実感できるし、それが歴史の主人公の栄枯盛衰に大きな影響を与えていることもよくわかります

コメントする

CAPTCHA