のりの図書館通い

★ 目に入ったら、ぜひよんでみて
★★ 再読したい、もしくは購入したい
★★★ すぐにでも手に入れたい


土器典美「ラクダに乗ったラクダのかご私の好きな物の話」主婦の友社   
バブルと雑貨って重なってる気がします。


小山織「職人気質をひとつ」NHK出版   
職人ってイメージで語られてない?本当に皆、職人らしい職人なの?


金井美恵子「ページをめくる指」河出書房新社 ★★   
「母の友」連載時から度々読んでいたけど、なんだか居心地がちょっと悪そうな。母の友読者の中で、彼女の文章にしびれる人がどのくらいいたか。小さい子供が一緒に生活するようになって子供が読む本の存在が再び身近になり、それにしても子供が読むお薦め本についての児童文学者やら絵本作家の本も多いことに気づく。でもどれも同じような本が出ているし、どんな意味でお薦めなのか今ひとつ判然としないし。そこで金井美恵子の絵本についてのエッセイ。この人の批評眼と表現にはいつもひれ伏す。でも内包された金井さんちの美恵子ちゃんのまなざしが、そのぺーじをめくる小さな指先が、そこには確かに存在し、怖い人だけどやっぱり好きな人だと思ってしまう。フィービとセルビ・ウォージントンの「くまさん」のシリーズは、これを読んで知り、一番お気に入りの絵本となる。
それから装丁で気になることが…。すべてのページの紙に細かな柄が印刷されているのだが(手漉き和紙のように見える)真ん中の66.67ページの見開きは、この柄がない。目の前が急に白くてスッキリしたのでどうしたのかと思った。この方が個人的には好きなのだが。


片柳草生「手仕事の生活道具たち」晶文社   
晶文社だし、著者はミセス、銀花、クロワッサン、太陽の編集出身だし、装幀は金田理恵さんだし、間違いないよねってかんじかな。「手仕事の生活道具たち」の魅力を広めてきた人々がいる。そこにはお馴染みの作家名が連なっている。間違いのなさそうな道具が並んでいる。でも、ひとつの世界が固まっているみたいでちょっと窮屈。


「小屋の力 MICRO ARCHITECTURE 」   
ワールドフォトプレス
これでもかと小屋の写真が写真が。こんなのもありと文章が文章が。小屋って好きです私も。よく通る道ばたの畑に、今にも倒れそうな小屋があって、きっといつか倒れるその寸前まで見届けたいと思っているのだけど。そういうささやかな小屋が、この本の中ではたいそうなことになってしまっていて、それほどのもんかね小屋とは。


小村小芥子「うさぎのダンス」文芸春秋   
ジャケ借りしました。きっと多くの人がこの本を読み始めて、びっくりしたでしょう。男の人が男の人と関係するお話でした。疲れてしまって最後まで読めませんでした。


片山健「わたしの遠足日記」晶文社★   
男性の絵本作家って、かわりもんってかんじの人が多い、ような気がする。というか女性の絵本作家よりも全然こどもの存在感に近いというか。イノセントな存在?として許されている?けっこうヘビーな遠足で、大変そうで楽しそう。


「百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY」   
オリジナル普及版
Think the Earth プロジェクト★
20世紀を振り返るなんて私にはとてもとても。子供が眠っている暖かい布団に滑り込むことが至福の喜びな小さい世界に生きているものが、この100年を、この広い世界を俯瞰しようなんて無理無理。でもしてました、この本。一枚一枚写真を見ながら、簡潔に真実を伝える文章を読む。イメージに流さず、わかりやすい表現、目の前一杯に拡がる大判(A3版)の頁をめくるうち、この地球上に、この20世紀を生きてきたものとして、今いる場所を確認する思いでした。4人の執筆陣の選択も○。この大きさ、装幀も伝えるべき内容をより明確に演出している。朝日新聞で磯崎新氏がこの本をお買いあげになっていた記事があった。でも飛行機の中で読むということで、縮小版(普及版)を買ったらしい。縮小版があるなんて、ちょっとがっかり。姑息だねそりゃ。この大きさじゃなきゃ伝わらないから、この大きさなんでしょう?(ちなみにオリジナル版はたったひとつ、古新聞の上に写真が貼り込んである)


庄野潤三「うさぎのミミリー」新潮社   
若い女性読者が多いらしい。うーん。「おいしい。ありがとう。」はいいんだが、やっぱり同じ文章がリピートされるのはちょっと。繰り返しによって、ひとつの空気の流れが醸し出されてくるって?若い女性がそんなに早くぼけちゃっていいのかな?どうもほかの著書もすべてこの調子らしい。不思議な存在感の作家。


書評三冊   
荒川洋治「読書の階段」毎日新聞社
荒川節の書評。ことばが階段を上がったり下がったりするのだそうだ。
好意的なものいいで、いい人なんだなと思ってしまう。
南伸坊「装丁」フレーベル館
あ、そのままじゃないですか。というような装丁コンセプト(?)が、「即物的」という本人の言葉を読んでみょーに納得。
太田垣晴子「わたくし的読書」メディアファクトリー
読書案内3点でした。いくつか手帖に書き写して満足。

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