NORI CHOI

モノがたり   
年末仕事として繕い物をしました。ほつれたり穴が空いてきちゃったりして気になりながら、でも部屋着だからなかなか手につかず。どれももう20年ぐらいの付き合いでなんだか手放せなかったものたち。薄くなって柔らかくなってくたくたになってきて、たぶんこういう状態だともう捨てられてしまうんだろうけど。でも手を入れたら、なんだか愛を再確認したような、よりを戻したような、そんな関係になりました。
うぐいす色のカーディガンは、学生の頃、初めてフリーマーケットなるところで購入。ぼろルックやら古着やらが流行っていた頃でした。おじーちゃんのカーディガンみたいで、アメリカのJANTZEN社のもの。水着の人が飛んでるマークの。この前このブランドがユナイテッドアローズにおいてあって、可愛い孫にでも会ったようでした。
ブルーのスウェットは、やっぱり学生の時豊橋の文化屋雑貨店で。初期の文化屋雑貨店ってすごい面白くて、それが地方にもあったりしたんだな。トレーナーってやつが流行になるような時代。下にシャツをわざと出して着たり、ある店のロゴ入りが流行ったり、裏返して着たり、今考えるとおかしい。日本のトレーナーにない質感と(これも輸入物)色が好きでずーっと着ている。今はもう外では着られず、パジャマの上に着る寝間着。
グレーのタートル。ビームスやシップスがまだ渋谷に小さい店を出していた頃、大学から実家へ帰る道中、東京に寄ってはそのあたりをうろうろ。就職してやっとお金が使えるようになって、豊橋にもそのへんの店のジャケットやセーターを扱う店があって、そこで買いました。すごく似合うねそのセーターと言われて、ずっとお気に入りのもの。


おきまりバッグ   
沖真理さん作のバッグです。クレージーステッチというのだそうです。なんか風景を感じるでしょ。毎日使っています。見せびらかして。


テーブルクロスアート   
なんとなく手元に置いといて、ちらちら見てみたいなあと思って、買ってしまいました。テーブルクロスで日常アートする、ってかんじ。お皿を組合わせて花を飾ってカトラリーを並べて、ってごたごたしてるテーブルコーディネートは興味ないけど、こうしてふわっと一枚のテーブルクロスをかけて、そこからその食事やお茶の空間をつくっていくのは、楽しそうだ。子供が一緒の食卓では、まだちょっと難しいけど。
堀井和子「26枚のテーブルクロスわが家のテキスタイルabc」文化出版局1600円(税別)


沢田マンション物語   
久しぶりに、うなってしまいました。すごい人がいるよねえ。仕事をするということ。自由に生きるということ。考えてしまいました。これを読んでいる最中に、ホームページ(マンションの住人がつくっているhttp://www.sawaman.com/)で沢田嘉農さんが今年3月に亡くなったことを知り、それもちょっとしたショック。マンションの住人たちも楽しそうに暮らしているし、本にはイラストや写真でほのぼの感を醸し出しているけど、この夫婦の歴史はかなりすさまじい。でもそんなにすさまじかった人生を当たり前のように生きて、苦労物語風になってないところがまたすごい。セルフビルドが気になってる人たち、これを読んで元気づけられるか、はたまた自信を失うか。でも「人として生まれた以上、どれだけのことができるか試してみたい」というシンプルな生き様は、ずんと響くものがありました。
情報センター出版局1700円(税別)


中野画廊   
松山の街を歩いていてふと目に入り、いい感じの油の抽象画が掛けてあったのでついドアを開けてしまった。感じのいい画廊主(中野さん)とお客がひとり談笑していて、話しにちょっと混ざり、掛けてあるのはなんと松田正平があったり、ジャズの流れる小さな空間で、なつかしいような気持ちでした。松田正平とはお付き合いがあるらしいのだ。作品を見てみたい人だったので、ひろいものでした。また松山に行ったら、寄ってみよう。(ロゴも松田正平作)

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- Joyful Note -