わが心の砂丘亭。6月いっぱいで閉店。 最後の「さくさく」を食べに行って来ました。ふりかえるといろいろありすぎて何もいいたくなくなっちゃうほど、そして店がなくなって寂しいのかどうか判断できないほど、特別な場所だった気がします。記憶のからだに深く刻まれる程の場所、ということを感じます。こうして眼を閉じてひとつひとつをたぐっていけば、体の回りに砂丘亭は再現されるのです。夜の真ん中でつきることなく話をし続け、夜がちっともこわくなく、朝なんか来なくてもいいと。お酒や音楽や本や友人やおしゃべりや、いろんなことが愛すべきことに昇華する場所でした。その頃の私は、好きなものに好きな人に、毎日でも会いたいっていう好きになり方をしていたから、それは大変困ったことでした。砂丘亭という世界と恋愛していたのかもしれません。そう昔の恋人のこと。これはそういう胸の苦しさみたいです。
|
|